人々の意識や生活に変革を起こすこと。その主体は、地域の人々だ。彼らが自ら行動することでしか成し得ない。ただ、外から人々に行動を起こすきっかけとなる「気づき」を与えることはできる。現状がつらくとも、それ以外の暮らしを知らなければその状況から抜け出すアイデアが持てない。気づきを得た人々は状況を変える力を得る。これがうまく育てば、あとは自力で頑張れる。
私は現地スタッフとともに、この「気づき」を作り、彼らの行動をサポートする役割に徹しようと思った。一人の瀕死(ひんし)の男の子との出会いは、いろいろな迷いや葛藤の中で職場復帰した私にとって、この仕事を続けていこうと改めて心に決めた大きなきっかけとなった。
今夏、一年ぶりにこの事業地を訪れた。地域の人々と交わした会話の中に小さな変化を感じた。昨年は、支援を通じて自分が何を得られるかという受け身の態度が目についたが、今年は地域全体に欠けているものを補うために必要な力を身につけたい、そのための支援をしてくれという意見が出てきたのだ。