当時の日記もベース
「しんどかったですね。書いていて恥ずかしさもあるし…。落ち着かないというか、心乱れる作品です」と苦笑する。自身も名門男子高、函館ラ・サール高校出身。入学から1年間、寮生活を送った。「憧れの学校でしたからね。有頂天というか、解放感というか…。人生で一番幸せな時間だったんじゃないかな。濃い1年間。覚えているのは、学校ではなく、寮のことばかりです」
1971年という時代も、まさに自らが寮生活を送った1年間。「この時代を書こうと決めたとき、逃れようなく自分と重なってくるな、と。半自伝だと思って、開き直って書きました」
ミステリーとしてのストーリーテリングはもちろん、寮生活がよみがえるかのようなディテールは、当時書いていた日記がベースだ。「天気もかなり正確ですよ(笑)」。ジャズピアニスト志望の古葉をはじめ、個性的な「探偵団」のメンバーも実際の交友関係を元にしたという。「変わったヤツが多くてね。グループに一人、大人びたヤツがいて、そいつが古葉のモデルです」