ブロークン・ビーツは、コンピューターによる打ち込みが主流だが、「SK RADICALS」は生の音を基調にする、ある種“風変わり”なグループだった。とはいえ、カーンがここまで大胆にジャズにシフトするとは、予想もつかなかった。
本人は、ジョン・コルトレーン▽ハービー・ハンコック▽ギル・スコット・ヘロン-らを敬愛してやまず、カーンは今回のアルバムを、彼らにささげた。だが、アルバムの内容は、単なるオマージュではない。ドラムン・ベースとポエムリーディング、モード・ジャズとブラジル音楽、ブギーとソウル…と、さまざまな組み合わせを試し、これまでにはない新鮮なジャズを生み出した。
それでいて、オーソドックスなジャズのエッセンスをアルバムの随所にちりばめて、統一感を醸し出している。カーンは、ブロークン・ビーツ誕生の背景にあった“音楽の攪拌(かくはん)”を、自らの生演奏で実現させたのが、今回のアルバムだといえる。