靖国神社では全昶漢(チョン・チャンハン)容疑者の逮捕後も警視庁による警備が行われていた=2015年12月9日、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)【拡大】
「背景に日韓関係」
全容疑者は日本メディアから電話取材を受け、靖国神社事件との関連を問われて「分からない」と曖昧に回答していた。全容疑者の動向は韓国紙でも報じられており、事件に関与した疑いが自身に向けられていることを認識していたもようだ。
調べに「質問を受け」と供述しているのは、この取材を指しているとみられる。ただ、警察幹部が「逃げられないと覚悟し、捜査状況を確認するため来日したのかもしれない」と話すなど、突然の再入国に戸惑いが広がる。
日韓関係が背景にあるとの見方も出ている。2012年1月、ソウルの日本大使館に火炎瓶を投げ込んで逮捕された中国籍の男が、11年12月の靖国神社放火事件への関与を自供した。日本側は服役した男の身柄引き渡しを請求したが、韓国側が「政治犯」として拒否し男を中国に送還。日本側は「犯罪人引き渡し条約を骨抜きにする対応だ」(外交当局者)と強く批判して外交問題に発展した。