自民党立党60年記念式典で万歳三唱する安倍晋三(しんぞう)首相(中央)と党役員ら。党是の憲法改正には触れなかった=2015年11月29日午後、東京都港区高輪のグランドプリンスホテル新高輪(酒巻俊介撮影)【拡大】
というのも今年6月、自民党は衆院憲法審査会の参考人質疑で、党推薦の憲法学者に安全保障関連法を「違憲」と指摘される失態を演じたからだ。安保関連法は先の通常国会の最重要法案だったが、この違憲発言を機に野党は勢いづいて「戦争法案」などと反発を強め、成立が大幅に遅れた経緯がある。その後の宮城県議選や福島県議選では、安保関連法や大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など、国政の課題への反対を訴えた共産党など野党が伸長し、自民党は苦杯をなめた。参院選でもそうなることに危機感を感じているのだ。
憲法改正はイデオロギー的な対立を招き、世論を二分するテーマであるだけに、首相は慎重になっているのだろう。自民党は先の通常国会の後、違憲発言をした憲法学者の選考に関わった党憲法改正推進本部長の船田元(はじめ)氏を事実上更迭し、後継に森英介氏を据えた。事務局長には上川(かみかわ)陽子氏を起用する予定だ。