作家、寺山修司の映画「書を捨てよ町へ出よう」を新進気鋭の劇作家、藤田貴大(たかひろ、30)が舞台化、村上虹郎(にじろう、18)が主演する。村上は河瀬直美監督の映画「2つ目の窓」で昨年デビュー、みずみずしくも屈折した10代を表現する魅力を持つ。今回が初舞台。寺山本人を投影した役柄を「思想を引き継ぎ、僕本人として演じていく」と話す。
過去の共感、現代へ
原作は寺山が1967年に発表した評論集で、71年に自ら手がけた映画が公開された。今回は映画版をベースに、東京に住む青年の鬱屈した日々を、実験的な映像を交えて描く。上演台本と演出が藤田、主宰する劇団・マームとジプシーのメンバーが参加。芸人・作家の又吉直樹、歌人の穂村弘が映像出演する。
舞台では公開当時、多くの若者たちの共感を得た世界観を、現代に翻訳する仕掛けを展開する。その一つが衣装に起用した人気ブランド「ミナ ペルホネン」だ。普段は他人とかぶらないよう、古着をよく買うという村上が、「丁寧に作られた、一つ一つに名前とストーリーがある一点物のような服ばかり」と惚れ込んだ、不思議な魅力を舞台で放つ。