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【笑顔のアスリート学】どんな環境でも強くなれる! 萩原智子 (2/4ページ)

2015.12.28 15:00

4月に東京辰巳国際水泳場で行われた全日本選手権。大都会には充実した施設も多く環境に恵まれているが、田舎だって強くなれる=2015年4月7日、東京都江東区(中鉢久美子撮影)

4月に東京辰巳国際水泳場で行われた全日本選手権。大都会には充実した施設も多く環境に恵まれているが、田舎だって強くなれる=2015年4月7日、東京都江東区(中鉢久美子撮影)【拡大】

  • 【笑顔のアスリート学】萩原智子さん。1980年4月13日、山梨県生まれ。身長178センチの大型スイマーとして、2000年シドニー五輪女子200メートル背泳ぎ4位、女子200メートル個人メドレーで8位入賞。02年の日本選手権で史上初の4冠達成。04年にいったん現役引退し、09年に復帰。子宮内膜症、卵巣嚢腫(のうしゅ)の手術を乗り越え、現在は講演、水泳教室やキャスターなどの仕事をこなす=2007年7月17日(提供写真)

 心にできた「逃げ場」

 私は小学2年生から水泳を始め、全国大会や合宿などで他県へ出向くことが多かった。その度に見たこともない屋根のある大きな50メートルプールに圧倒された。その驚きと憧れは、いつしか心に「羨(うらや)ましさ」を生み出し、「逃げ場」をも作り出してしまった。

 記録や結果が出なくなると、自分自身への厳しい問いかけを忘れ、不調の原因を必死で見つようとした。その原因の一つが、練習施設や用具などの環境だった。

 シドニー五輪出場まで、毎日のように練習していたスイミングクラブのプールは、水深が浅いところで1.1メートル。当時の私の身長は1メートル75センチを超えていた。プールで立つと水面が腰の下辺りで、選手コースだけで許可されていたスタート台からの飛び込みも慎重に恐々と練習していたのを今でも思い出す。

 山梨県は田舎で、いい施設がない、物がない、情報がない…と、無い物ねだりを繰り返していた時期もある。大都市で練習をする同世代のライバルたちが良い記録や結果を出すと、「だって、良い環境で練習しているんだから。田舎で練習してる私には無理な話だ」などと思っていた。環境の問題を完全に逃げ場にしていた。

「山梨は田舎だ。無い物も沢山ある。でも無い物ねだりをするな」

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