世界選手権で獲得した金メダルを見せる(左から)星奈津美、渡部香生子(わたなべ・かなこ)、瀬戸大也(だいや)の3選手=2015年8月11日、東京都北区・味の素ナショナルトレーニングセンター(納冨康撮影)【拡大】
【笑顔のアスリート学】
ロシアのカザニで行われていた世界選手権水泳競技大会が閉幕した。今回の世界選手権は、来年のリオデジャネイロ五輪前哨戦として位置づけられていたこともあり、各国のライバル選手たちが一気にレベルを上げ、揺さぶりをかけてきた。それに加え、ランキング外でマークしていなかった無名の選手が記録を伸ばし、大きくアピールする大会となった。
萩野選手の存在
今大会は五輪の大舞台で戦い方を試すラストチャンス。日本水泳連盟は、「金メダル獲得=リオ五輪代表内定」と宣言。そんな思いに応えるべく、瀬戸大也(だいや)選手、渡部香生子(わたなべ・かなこ)選手、星奈津美(ほし・なつみ)選手が金メダルを獲得した。1年かけて五輪への調整ができることは、肉体的にも精神的にも大きなアドバンテージとなる。
日本水泳のエースは、3人の金メダルの瞬間をどんな気持ちで見ていたのだろうか。世界選手権直前、合宿先のフランスのカネで右肘を骨折し、大会出場を断念した萩野公介選手だ。世界選手権が開幕する前に腕のギプスが外れたと聞いているが、仲間の活躍に喜びながらも、焦りも感じているのではないかと思う。