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貴重な夏の経験 焦りは禁物 萩原智子 (3/4ページ)

2015.8.17 11:30

世界選手権で獲得した金メダルを見せる(左から)星奈津美、渡部香生子(わたなべ・かなこ)、瀬戸大也(だいや)の3選手=2015年8月11日、東京都北区・味の素ナショナルトレーニングセンター(納冨康撮影)

世界選手権で獲得した金メダルを見せる(左から)星奈津美、渡部香生子(わたなべ・かなこ)、瀬戸大也(だいや)の3選手=2015年8月11日、東京都北区・味の素ナショナルトレーニングセンター(納冨康撮影)【拡大】

  • 右肘骨折のため水泳世界選手権の出場断念を発表し、会見場を出る萩野公介=2015年7月3日、東京都北区(共同)
  • 【笑顔のアスリート学】萩原智子さん。1980年4月13日、山梨県生まれ。身長178センチの大型スイマーとして、2000年シドニー五輪女子200メートル背泳ぎ4位、女子200メートル個人メドレーで8位入賞。02年の日本選手権で史上初の4冠達成。04年にいったん現役引退し、09年に復帰。子宮内膜症、卵巣嚢腫(のうしゅ)の手術を乗り越え、現在は講演、水泳教室やキャスターなどの仕事をこなす=2007年7月17日(提供写真)

 萩野選手の骨折による代表辞退によって、自由形の江原騎士(ないと)選手が追加招集された。発表直後は「こんな形で日本代表チームに入ったので、正直、聞いたときは複雑でした」と戸惑いの表情を浮かべていた。彼は4月の日本選手権で代表権を獲得することができず、悔しい思いを経験した。加えて7月中旬に韓国で行われたユニバーシアード大会の日本代表として戦ってきたばかりでもあり、疲労がある中での大舞台だった。彼が複雑な気持ちになるのも仕方のないことである。

 日本代表チームは、世界選手権での男子800メートル自由形リレーで12位以内に入り、リレーでの五輪出場枠を獲得しなければならない状況。江原選手は「来年に向けてはチャンスです。選んでよかったと思ってもらえるような泳ぎが目標です」と気持ちを切り替え試合に臨んだ。初めての世界選手権、そして突然の招集によって大きなプレッシャーのかかるなか、しっかり責任を果たした。日本チームは世界選手権で10位。無事にリオデジャネイロ五輪の代表枠を獲得した。この経験は来年の五輪を目指す彼にとって、必ず意味のあるものになる。

日本代表チームの危機を救った「騎士」

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