貴重な夏の経験　焦りは禁物　萩原智子 (4/4ページ)

　彼の名前を見て、何と読むのか悩んだ方も多いだろう。「騎士」は、「きし」と読むのではなく、「ナイト」と読む。ご両親が「全ての人を守れるような人になってほしい」との願いを込めて付けてくれたそうだ。彼は「この名前は、すごく気に入っています。付けてくれて両親に感謝しています」と笑顔だった。全ての人を守るような人に…。日本代表チームの危機を救った「騎士」は、ピンチをチャンスに変えて来年に向けて走り出している。

　萩野選手にとっても、江原選手にとっても、大きな経験の夏となった。苦しいことも、うれしいことも、無駄な経験などない。全てに意味があり、自身を成長させてくれる力になる。（日本水連理事、キャスター　萩原智子／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）

　■はぎわら・ともこ　１９８０年４月１３日、山梨県生まれ。身長１７８センチの大型スイマーとして、２０００年シドニー五輪女子２００メートル背泳ぎ４位、女子２００メートル個人メドレーで８位入賞。０２年の日本選手権で史上初の４冠達成。０４年にいったん現役引退し、０９年に復帰。子宮内膜症、卵巣?腫（のうしゅ）の手術を乗り越え、現在は講演・水泳教室やキャスターなどの仕事をこなす。