全てが整っていても強くなれないアスリートもいる。環境が整っていない田舎であっても新記録を更新するアスリートだっている。全ては気持ち次第なのだ。「こんな整っていない環境で頑張れない」と思うのか。それとも「この整っていない環境で頑張り抜くことができたら、必ずタフになれるんだ」と前向きに考えられるか。ほんの少しの精神的変化が、自信を生み出す。「無い環境」は、心身ともにタフさを培い、工夫する楽しさを教えてくれ、さまざまな角度から考えられるようになる。それに気がつけるのか、気がつけないのか。それがレベルアップの大きなターニングポイントになる。(日本水連理事、キャスター 萩原智子/SANKEI EXPRESS)
■はぎわら・ともこ 1980年4月13日、山梨県生まれ。身長178センチの大型スイマーとして、2000年シドニー五輪女子200メートル背泳ぎ4位、女子200メートル個人メドレーで8位入賞。02年の日本選手権で史上初の4冠達成。04年にいったん現役引退し、09年に復帰。子宮内膜症、卵巣?腫(のうしゅ)の手術を乗り越え、現在は講演・水泳教室やキャスターなどの仕事をこなす。