娯楽番組に備わる教養性
まず前者からいえば、大みそか恒例の紅白歌合戦での、美輪明宏の「ヨイトマケの歌」は貧しいながらも必死に子供を育てる姿を、森進一の「おふくろさん」も、最後の「かぁーさぁーん」の絶叫に象徴されるように同じ視点で親が子を思い、子が親に感謝する愛を歌った。現在の社会は株価の上下に翻弄され、「数値的な幸せ」だけを追求している面がなきにしもあらずのなか、この2曲以上に、親の力を子供やかつては子供だった大人に感動を持って教えられるものがあるどうか。
そのことはTBS系で大みそかに放送された「史上最大の限界バトル」の魔裟斗(まさと)VS.山本KIDの格闘技にも通じている。試合終了後、勝者(魔裟斗)、敗者(山本KID)ともリングで子供を抱き上げ、家族の支援に感謝した。このシーンは現在の社会で欠如している家族愛を強烈に訴え、人々の心の奥に響いた。娯楽番組にも深くて大きな教育効果があることを証明するものだと思う。