予定調和な討論番組に失望
一方で、放送局自らが教養番組と位置づけるテレビ朝日系で元日の未明から放送された「朝まで生テレビ」とNHK Eテレで元旦深夜から2日未明に放送された「ニッポンのジレンマ 12人の若き論客大討論」をみてみよう。
朝まで生テレビは1987年から、「タブーなき言論」を標榜し、原発や日米安保など社会的に賛否の分かれるテーマを、関係する当事者・評論家などをゲストにして討論を行ってきた。今回は5時間の特別編であった。ニッポンのジレンマは1970年以降に生まれた新世代の論客たちが、日本の諸問題について討議することを売りにして5年目になる。
ビデオで見直してみたが、両番組ともに、かなり失望せざるを得ない内容だった。前者は安倍政権の経済政策や安全保障、中東テロ問題などを取り上げ、一般視聴者のスタジオ参加などもあったが、予定調和的な枠組み内の議論に終始した。後者は若いことだけを売り物にし、ある発言者は「学者は規範論ではなく、現状分析をするものだ」と堂々と言って恥じず、それにだれも反論しなかった。規範とは倫理性のことだが、それがない言論は「単なるバカ番組」だろう。