年が明けて、人民元の対ドル相場の急落が続く。元安とともに上海株は暴落する。それにつられて日経平均株価も下がる(グラフ参照)。
真の脅威は資本逃避
元安は「管理変動相場制」と呼ばれる中国特有の外国為替制度の限界を示している。この制度は、中国人民銀行が前日の元相場終値を基準とし、元の対ドル相場の変動を基準値の上下各2%以内にとどめるよう市場介入する。元相場を安定させることで、外国からの投融資を呼び込み、国内資金をつなぎ止める決め手となってきた。人民銀行は資金流出が増勢になると、わずかずつ元高に誘導してきた。元がドルに対して強くなれば、中国の元資産に投資している華僑など海外の投資家や国内の富裕層はドルなど外貨資産への転換を思いとどまるからである。
ところが、元高は国内産業の競争力を低下させると同時に、デフレ圧力を招き入れ、企業の製品価格を押し下げる。生産設備や不動産は過剰となり、企業や地方政府の債務が膨れ上がる。中国の企業債務(金融機関を除く)残高はダントツの世界一だ。経済規模(名目国内総生産=GDP)で米国の6割程度なのに、企業債務は米国を凌駕(りょうが)しており、膨張規模もでかい。GDP比でみると、2015年6月末で1.6倍。バブル時代の日本企業の1.4倍(1990年)を超える。