そこで習近平政権は元安政策に転換し、輸出増強と脱デフレを狙うのだが、どっこいそうは問屋が卸さない。元安が続くとみた華僑や国内の投資家は元を売って、外貨資産を買う。上海や深●(=土へんに川、しんせん)の株価が暴落するわけである。
習政権にとって真の脅威になるのは、資本逃避である。人民銀行は資本逃避が起きるたびに外貨準備を取り崩して元を買い支える。この結果、外貨準備高は15末時点で3兆3000億ドル、前年同期から1080億ドル減った。香港やシンガポールの金融関係者の間では、このペースで資本逃避が続けば、外準は早晩3兆ドル台を割り込むとの見方が多い。海外資本が中国から資金を引き揚げるとたちまち底を突く。習政権は対外投資を積極的に展開し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立して国際金融でも主導性を発揮しようとしているが、外準という金庫が空っぽ同然になりそうだと、身動きがとれなくなる。