【Viva!ヨーロッパ】
豆腐の人気がドイツで上昇中だ。健康や環境に対する意識の高まりが背景にあるためだが、豆腐をそのまま食べるだけではなく、ドイツ人の好みに合うようにソーセージやハムなどさまざまな製品に加工されている。日本をはじめ、アジアの伝統食材が欧州でさらに進化を遂げている形だ。
30種類の商品
「黒い森」と呼ばれる森林地帯の周辺にあり、仏国境に近い独南西部フライブルク。郊外の一角にある会社を訪ねると、工場内では従業員らが次々と機械から出てくるソーセージをさばいていた。幾重にもつるされ、光沢を放つ姿はソーセージ好きにはたまらない。「でも、中身は肉でなくて豆腐よ」。広報担当者、リナ・クイパースさんが笑顔で語った。
国内最大規模を誇る豆腐製品製造会社「タイフン」。1987年に設立され、当初は新鮮な豆腐を地元の市場で売るだけだったが、今では国内の自然食品店だけでなく、フランスなど欧州14カ国に商品を納入する。使用する大豆のほぼ100%が契約農家で有機栽培されたもの。「オーガニックの豆腐生産では欧州一の規模」ともクイパースさんは胸を張った。