【Viva!ヨーロッパ】
日本人にもなじみが深い「バウムクーヘン」。本場ドイツでは「ケーキの王様」と呼ばれるほど特別な伝統菓子だ。かつて王室御用達でもあった国内の名店の一つ、ベルリンの「コンディトライ・ラビーン」は100年以上、創業以来の伝統の味を守り続け、日本でも多くのファンに親しまれている。職人が丹精を込めて焼き上げる姿を訪ねた。
製造は1日30本
ベルリン南西部シュテークリツ地区。駅前の静かな並木道を約10分行くと、ガラス張りのしゃれた店が現れた。城をモチーフにしたロゴと「コンディトライ・ラビーン」と記された看板が目印。カフェとなった店内を抜けた奥が工場となっていた。
工場で目につくのは、2台の大型専用オーブンだ。職人はオーブンの扉についた自動回転式の心棒に生地を丁寧に流しかけると、扉を回転させてオーブンに入れる。同時に中からは扉の反対側の心棒が現れ、さらに生地をかける。これを繰り返すことで、木の年輪のように美しい生地の層ができる。ちなみにバウムクーヘンとは、ドイツ語で「木のケーキ」といった意味だ。