隣では別の職人が焼き上がった生地にスプレーで白砂糖のコーティングを施していた。完成したばかりでまだ熱をもったバウムクーヘンは、製造工程でできた自然な形の凹凸の表面に白い光沢を放っていた。
「朝5時か6時ごろから作業を始める」。そう話してくれたのは3代目店主のクラウス・ラビーンさん(81)。製造するのは1日約30本だが、クリスマスシーズンの12月となれば約50本を焼くため、さらに忙しくなるという。
王室御用達の栄誉
コンディトライ・ラビーンの開業は1878年。当時はベルリン西郊のポツダムにあった。サンスーシ宮殿など、プロイセン王国を治めたホーエンツォレルン家の王室御用邸が多くある街で、その地で人気を博したコンディトライ・ラビーンは1900年代に入り、王室御用達の栄誉を受けた。バウムクーヘンを入れる箱には今もホーエンツォレルン家の紋章が使われている。