【KEY BOOK】「道教(全3巻)」(福井康順・山崎宏・木村英一・酒井忠夫監修/平河出版社、2376円、2808円)
ふつうタオイズムは、老子と荘子に発して「道」や「無為自然」を謳ったものと見られているが、実際の歴史上の道教は教団や道士によってかなり神秘主義的な装いと方術を展開してきた。そこにはタオカリグラフィを駆使した護符や、偽経をものともしない呪法が乱舞した。本書は吉岡義豊らの先駆的研究を継承して、初めて道教の歴史的な変遷と実態を通観したもの。話題の3冊だった。
【KEY BOOK】「道教の世界」1~5(田中文雄ほか著/春秋社、各2160円、一部在庫なし)
最も新しい見方で道教世界を案内してくれるシリーズだ。1「仙境往来」、2「道法変遷」、3「老子神化」、4「飛翔天界」、5「神仙幻想」という構成で見当がつくように、けっこうタオイズムの独特のセンスに分け入ろうとして執筆されている。たとえば1の田中文雄の「仙境往来」はトポグラフィとしての桃源郷モデルの変遷を追ったもの、5の土屋昌明「神仙幻想」は玄宗皇帝が希代のタオ皇帝だったことを劇的に証しているものだ。どぎまぎさせる5冊だった。