高橋 「小山田君が担当した『Don’t Move』なんて、最初に元のものを聴いたとき、どうなるのか全然予想できなかった。結果として変拍子の固まりのようなすごいサウンドになった。そして、最後に僕の生ドラムをダビングして、それをYMO以来のミキサー、飯尾芳史君にエディットしてもらい、できあがったんです」
《METAFIVEの録音方法は、前代未聞といってもいい。作曲担当者が元のデータを回すのだが、あえてメロディーを消して渡し、他のメンバーが作れる余地を残すこともある。6人のメンバーがコンピューターで加工するので、作曲者には想像もつかなかった仕上がりになる。さらに、それをエンジニアが大胆に編集する。以前の音楽作りからは考えられない共同作業だ。6人が丁々発止のやりとりをできるのも、信頼関係があってこそ。お互いを信頼し、ときに譲り合う。それもなかなか生まれ得ない“現象”だ。ここで気になるのは、カリスマであり、年齢も上の世代の高橋が、年下の5人と、なぜ対等に接していけるのか、という点だ》
高橋 「性格でしょうか(笑)。今までいろいろなバンドを組んできたキャリアが生きてますが、今回は特別な感触なんですよね。自分が前に出ていかなくてもよかったんです」