記者会見で閣僚辞任を表明した甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相=2016年1月28日午後、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
週刊誌で疑惑が報じられた直後から覚悟は決めていた。「自分のせいで2016年度予算案を審議する予算委員会が止まってしまったら、申し訳ない」と官邸側に辞意も伝えた。ただ、安倍晋三首相は「負けないで頑張ってほしい」と慰留したという。
自民党内では続投論が徐々に強まった。甘利氏はTPP交渉を一手に担ってきたため、「2月4日にニュージーランドで行われるTPP署名式に行くのは甘利氏の他にいない」との声が上がった。さらに、「(建設会社の総務担当者らの)わなにはめられた」(高村(こうむら)正彦副総裁)などの同情論も広がった。
「本会議場に響いた拍手には、さすがに胸が詰まった…。本当に感謝している」
甘利氏は22日、野党が退席する衆院本会議場で経済演説を行った後、そう周囲につぶやいた。以降、「28日にはちゃんと説明責任を果たす。これからは記者会見でも、国会審議でも逃げずにしっかりと答える」と強気の姿勢もみせていた。ただ、自問を繰り返す日々は続いた。
週刊誌報道で計1200万円に上るとされる公設秘書らへの現金授受、飲食供応の実態解明には時間がかかる。自身の金銭授受については説明ができても、公設秘書への監督責任は免れない。