文春の記事によると、建設会社側は、URとの補償交渉に際して13年5月、神奈川県大和市にある甘利氏の大和事務所所長の秘書に「何とかしていただけませんか」と相談。補償交渉が決着すると8月に事務所を訪れ、事務所側に500万円を渡したという。しかし、政党支部2団体の政治資金収支報告書には計200万円の政治献金が記載されているのみで、残る300万円は記載がなかったとされる。
「秘書が誘惑に負けて使ってしまった」
甘利氏は公設秘書から聴取した弁護士の話として、300万円を私的に使ったと認め、返金する意向を示したことを明らかにした。
秘書が建設会社の総務担当者から繰り返し飲食接待を受けていたことも認めたが、14年12月の衆院選を前に献金を受けたとされる100万円については言及がなかった。
≪「余人もって替え難い」 アベノミクスの司令塔失う≫
甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相の辞任で、安倍晋三政権はアベノミクスの「司令塔」を失った。何度も暗礁に乗り上げかけた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を大筋合意に持ち込むなど、その手腕には「余人をもって替え難い」と評価する声が政府内や市場で多い。名目国内総生産(GDP)600兆円を目指す政権には大きな打撃だ。