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【佐藤優の地球を斬る】韓国紙、核武装論で自国を窮地に (2/4ページ)

2016.1.30 09:00

北朝鮮の核実験に対する韓国の抗議デモ。こうした国民感情に乗ってか、核武装論が韓国有力紙の社説に登場している=2016年1月12日、韓国・首都ソウル(AP)

北朝鮮の核実験に対する韓国の抗議デモ。こうした国民感情に乗ってか、核武装論が韓国有力紙の社説に登場している=2016年1月12日、韓国・首都ソウル(AP)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 しかし現状は6カ国協議や数々の制裁措置に何の効果もなく、また米中両国も互いに責任を押し付け合っているだけで効果的な手段は何も打ち出せていない。これでは韓国としても、着実に核武装を進める北朝鮮の動きをただ眺めているわけにはいかないだろう。>(1月28日「朝鮮日報」日本語版ウエブサイト)

 実に情緒的で危険な主張である。韓国が核武装をするためには、NPT(核拡散防止条約)から脱退しなくてはならない。これでは、北朝鮮と同じ道を韓国がたどることになる。

 朝鮮半島非核化共同宣言を韓国が破棄すれば、韓国は東アジアの安全保障環境を変化させる既存の国際秩序への挑戦者と見なされることになる。さらに、この社説では、<ウラン濃縮や核燃料の再処理など、最低限の核主権確保に向け米国との交渉もあらためて推進しなければならない>と主張するが、米国が核兵器保持の意思を表明している国家に対して、独自のウラン濃縮やプルトニウムの抽出を認める可能性は皆無だ。この社説を書いた論説委員は、米国の核政策の基本が理解できていないようだ。

核武装論を禁断の箱の中に閉じ込めておくわけにはいかない

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