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【佐藤優の地球を斬る】信頼醸成サミットで動き出す日露関係 (3/3ページ)

2016.2.13 09:00

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と握手する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年9月28日、米ニューヨークの国連本部(共同)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と握手する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年9月28日、米ニューヨークの国連本部(共同)【拡大】

  • 作家、元外務省主任分析官の佐藤優(まさる)さん=2014年3月20日、東京都新宿区(大里直也撮影)

 信頼醸成サミットで安倍首相はプーチン大統領に切る外交カードは限られている。もはやロシアはG8サミット(主要国首脳会議)への復帰を望んでいない。従って、伊勢志摩サミットにプーチン大統領を招待しても、ロシアはこの招待を断るであろう。安倍首相の政治決断でウクライナ問題を巡る対露制裁の解除を日本が行うことも、日米関係に対する影響を考えるとハードルが高い。そもそもウクライナ問題をめぐる日本の対露制裁によりロシアはほとんど打撃を受けていない。従って、制裁を解除してもロシアに実利はない。

 国益に適う経済協力

 ここで注目されるのが経済協力だ。日本がロシアから石油、天然ガスを長期にわたって買い付ける合意を取りつけることは、日露両国の国益に適うと思う。また、中東の混乱で、ホルムズ海峡とスエズ運河が使用不能になったときに備えて、ロシアと共同して北極海航路を整備するという提案を安倍首相が行えば、プーチン大統領は強い関心を示す。北極海航路はベーリング海峡を越えた後、宗谷海峡か津軽海峡を経なければ、ロシア、韓国、中国の港にたどり着かない。宗谷海峡、津軽海峡を安定的に使用できるようにするためにも、北方領土問題の解決が必要になる。日本がロシアにエネルギー協力と北極海航路の整備を呼びかければ、北方領土交渉も動き出すと見ている。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS

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