これに対し、検審は2回にわたって3人の刑事責任を認め、起訴すべきだと結論づけた。東京地検が「現実的に無制限の安全対策は不可能」と判断したのと対照的で、リスクは一切あってはならないとの姿勢もうかがえる内容だった。
多くの死傷者を出した事故などでは、その真相解明の場を法廷に求めるべきだとの考えもある。だが、兵庫県明石市の歩道橋事故やJR福知山線脱線事故など、責任者や経営者らが業務上過失致死傷罪に問われた過失事件では免訴や無罪となっている。
「われわれの知らない真実が明らかにされ、責任を取るべき被告人らに公正な判決が出ることを望む」。東電や政府などの関係者ら計42人を業務上過失致死傷罪などで告発した、福島県民らでつくる「福島原発告訴団」の武藤類子団長は強制起訴を受け、こう意義を強調した。
一方、司法制度改革で強制起訴の権限が付与された検審をめぐっては、判断が感情に支配される可能性や被告人の人権をどう守るかという懸念もある。
ある検察幹部は「相当長い裁判になるだろう。強制起訴は3人にとって精神的な負担になるが、無罪になったときに誰が責任を取るのか」と漏らした。