宮城県石巻市の雄勝小で開かれた6年生を送る会。3人だけの卒業生が、下級生と手をつないで入場してきた=2016年3月2日(共同)【拡大】
ふるさと教育に力
「6年生さん、ありがとうございました」。3月上旬、宮城県石巻市立雄勝小の1~5年生16人が、3人だけの卒業生を前に、声をそろえた。100人以上いた児童は震災後、20人を割った。お別れ会では下級生が手品や歌を披露し、小さな学校は笑い声に包まれた。6年の阿部洋都君(12)は「震災で落ち込んだときもあったけど、みんなに卒業を祝ってもらって良かった」と喜んだ。
雄勝小は半島の付け根に位置し、津波で校舎が全壊。現在は10キロ以上内陸にある高校の敷地内に仮設校舎を建て、授業をしている。児童も遠方の仮設住宅などに点在して暮らし、バスで1時間近くかけて通学する子も。学校では故郷を忘れてほしくないと、ふるさと教育に力を入れる。
伊藤勝彦教頭の印象に残っている場面がある。昨年、教師が「春休み、楽しみにしている子は?」と問い掛けると、誰も手を挙げなかった。「学校が楽しいのだろうが、家に帰ると周りに知っている子がいないのだと思う」