≪岩手県釜石市 野村華子さん(19)≫
「この5年間、3人のことを忘れた日はありません。3人の存在が、いま柔道を頑張れる源になっています」
中学2年の時、津波で最愛の母と祖父母を失った。東海大学女子柔道部(神奈川県平塚市)1年の野村華子さん(19)は朝の練習を終えた武道館で話してくれた。
岩手県釜石市に住んでいた。あの日、学校で激しい揺れに襲われ、みんなで高台に逃げた。眼下では真っ黒な波が家を次々と押し流していった。自宅も流された。数日後、避難所で父、亨平さん(63)から母の洋子さん=当時(45)=が亡くなり、祖父の亘さん=当時(82)、祖母のキワさん=当時(80)=とも連絡が取れないことを聞いた。しばらくして、2人も亡くなったことが分かった。
父と兄の姿を見て小学5年から柔道を始めた。「練習はきつかったけど、技を覚えるにつれて強くなるのが楽しかった」。洋子さんも、忙しい仕事の合間に大会に駆けつけてビデオ撮影をしたり、体力がつく食事を作るなどしてサポートしてくれた。