「益田 I・NA・KAライド」の会場に展示された「アウディ TT RS プラス クーペ」=2014年9月、島根県益田市の島根県芸術文化センター「グラントワ」【拡大】
--インフラとしての自転車の役割は、どのようにとらえていますか?
先日、ハイブリッド車「e-tron(eトロン)」の試乗会を開催したコペンハーゲンでは、どうやってクルマが共生すべきかをアウディとしても検証しながら走ってきました。コペンハーゲンでは自転車通勤が奨励され、公務員は基本的にはクルマでの通勤はダメ。クルマは郊外から市内に入る手前に設置された駐車場にとめて、市内は全部自転車を使うというスタイルでした。市内には、市民が安価に利用できるバイクシェアリングシステムも用意されていました。
コペンハーゲンのような事例もしかり、極端ですが「何時から何時までは車道を自転車道に変える」というようなことを実験的にでもやっていく都市が、日本でも生まれたらいいと思う。都市や建築といった世界各都市の計画や構想を競う「アウディ・アーバン・フューチャー・アワード」(隔年開催)は、都市インフラなどを熱く議論できる場をつくり出しています。ニューヨーク、上海、ジャカルタ、そして東京など、都市の未来は、渋滞を避けるために自転車をいかにインフラに取り込むかも課題です。
自転車でも進んでいる製品の軽量化は、エコの視点でもとても大事。軽ければパワーは少なくて済むし、パワーが少ないということは燃費や排気が少なくて済む。材料の削減としても効果がある。レース技術から取り入れたハニカム構造は、エコな技術のひとつ。
製品としての自転車という点では、アウディではこれまで、メーカーとのコラボや各国のアウディで独自に作ったマウンテンバイクやクロスバイクがあります。技術面でも、自転車とクルマはめざす方向が同じ。アウディ ジャパンでも、いつか作ってみたいと思っています。
大喜多 寛(おおきた・ひろし) 1960年生まれ。83年に関西学院大学経済学部卒業後、東洋工業(現マツダ)に入社。国内営業、経営企画、販売会社社長などを経て、2002年1月にビー・エム・ダブリューへ入社、MINIブランドダイレクターを務める。06年、アウディ ジャパンに取締役営業担当として移籍し、10年9月より社長を務める。