新車同然に整備された阪急電車。周囲の景色が映り込むほどきれいな塗装にみほれてしまう=大阪府摂津市の正雀工場【拡大】
惜しまれつつ姿を消した寝台特急「ブルートレイン」は長い間風雪に耐えてきただけに、塗装し直した跡が残るなど引退間際になると老朽化は隠せない状態だった。だが、阪急の車両は経年を感じさせない。鉄道の世界にもアンチエイジングがあるとすれば、阪急は間違いなくその権威だ。
昭和48年まではハイソリッドラッカーエナメルというラッカー系塗料を使っていた。乾燥が早く、作業性に優れているものを使っていたが、「肉持ち感」の減退、変色や色あせなどの欠点があったという。
肉持ち感とは、塗料を吹き付けた直後と乾燥後で塗膜の厚みがあまり変化しないことをいい、肌の感じがぽってりしている様子をこう表現するらしい。
ラッカー系塗料に対し、現在使用しているポリウレタン樹脂塗料は色あせが少なく、光沢を保ち続ける特徴があり、阪急では専用の色を発注しているようだ。
“銀化”への抵抗
「阪急マルーン」と呼ばれる色へのこだわりも並々ならぬものがある。
工場課管理係の堀江康生係長(37)は「無塗装のステンレス車両を導入すれば、かなりのコストダウンが図れるが、今のところ阪急ではあり得ない」と断言する。