新車同然に整備された阪急電車。周囲の景色が映り込むほどきれいな塗装にみほれてしまう=大阪府摂津市の正雀工場【拡大】
首都圏では今やステンレスむきだしの車両が主流。イメージカラーも変遷しており、小田急電鉄や東武鉄道、相模鉄道など多くの大手私鉄が時代によって車両のカラーリングが異なる。
首都圏では珍しく“銀化”の流れにあらがい、赤い車体に白いラインという伝統を貫いてきた京浜急行電鉄も、近年は無塗装のステンレス車両(新1000形6次車以降)の導入を進めている。
ところが関西の阪急電鉄は「マルーン」にこだわり、100年以上にわたりイメージカラーを変えていない。のみならず、車両のデザインも基本的にはあまり変わっていないという。
マルーン消滅の危機も
今年3月に引退した阪急電鉄の2300系電車は、「阪急顔」の先駆けとなったといわれている。シンプルで直線的なデザインながら端正な顔立ちで、その後に登場した新形式の電車も基本的にはこの「阪急顔」を踏襲している。
「かっこ悪いという声がありまして…」と関係者の一人が打ち明ける。老朽化が進んだ車両のリニューアル工事で、「阪急顔」の鼻筋に当たる貫通扉の窓を大きくしたところ、窓の高さが不ぞろいに。せっかくの端正な顔立ちが崩れ、批判的な声もあったらしい。