逆に言えば、配置転換や退職を望んで去っていくパイロットが後を絶たないため、こんな破格の好待遇を用意せざるを得なくなったのだ。
戦場と平和
なぜこれほど不人気なのか。同紙は理由のひとつにストレスをあげる。
空軍のドローンパイロットの多くは、ネバダ州ラスベガス近郊のクリーチ空軍基地に勤務しているとされる。時には1日約12時間も複数のコンピュータースクリーン画像を監視し、敵を発見し、上司の「ミサイルを撃て」という冷たい声の命令で画面上の人を殺す。
とはいえ、これは冷暖房の効いたオフィスでの仕事だ。ドローンパイロットは仕事が終わると、基地のガレージに停めていた愛車に乗り込み、近所のスーパーで買い物をして帰宅。夕食を食べ、テレビ番組を見ながら家族との時間を過ごす。そして翌朝はまた画面の中の戦場に戻る-。
こうした「日常と戦場の短期的な往復」が精神的に耐えられないのだ。