最初の宇宙飛行の際、危険性を考慮してロケットに人間ではなくチンパンジーを乗せてテスト飛行したことで、元戦闘機パイロットだった宇宙飛行士たちは、他のパイロットたちから揶揄される。「最初の飛行は、サルがやったんだってな」。
彼らがピラミッドの頂点とするテストパイロットの仕事は、何百億円という費用のかかった高価な試作機の性能の限界を探り、墜落させずにテストデータを持ち帰ることだ。
突然エンジンが止まる。音速で飛んでいた最新鋭機がレンガのように落ちていく。さあ何をするべきか。補助翼で姿勢を立て直すのか、あるいは急降下で揚力を取り戻すのか、エンジンの再始動を試みるのか。重要なのは、「次に何をしたらいいのか」だ。
狭い操縦席の座席にベルトで縛り付けられ、急激なG(加速)に苦しみながら、死や危険に臆さず正しい解答を導き出せる勇気と冷静さ、判断力、洞察力…。こうした“正しい資質”を持つのが最高のパイロットだというわけだ。