米ニューズウィーク誌は「毎日人を殺しては牛乳を買って家に帰る異常さ」という見出しで、ドローン操縦者の精神的苦痛を表現している。
戦場には誰もが否定できないルールがある。「殺さなければ、殺される」。敵に向けて銃弾を放つ“殺人”の苦悩を解決する、最もプリミティブで分かりやすい自己正当化だ。しかしドローンパイロットは、このルールで自分を慰めることができない。自分は100%安全なオフィスにいるのだから。
操縦士のピラミッド
もうひとつの理由は、ファイター・パイロット(軍用機操縦者)の世界に厳然としてそびえ立つピラミッドにある。
米軍パイロットの頂点は、新鋭機を試験するテストパイロットだ。米国の作家トム・ウルフが戦闘機パイロットあがりの宇宙飛行士の内幕を綴り、映画化もされた名著「ザ・ライト・スタッフ」では、戦闘機パイロットがいかに負けず嫌いでプライドが高いかが描写されている。