うるさすぎないスポーツサウンド
それにしても、4Cから受け継いだターボエンジンがとても気になる。そりゃ、このクルマ最大のウリなのだから。期待を込めてグッと踏み込むと、これが素晴らしく刺激的なサウンドを響かせる。よりスポーティーな音を演出するためにサウンドジェネレーターを装着しているとはいえ、さすが本格スポーツカーに搭載しているだけのことはある。これがまた、体に心地良く沁みてくる上品なサウンド。過剰な演出で虚勢を張っている感じは全くない。うるさすぎないのだ。この辺は同乗者への配慮を考えた設計なのかもしれない。
そしてこのエンジンが実によく回る。低回転から力強いトルクを発揮し、どこまで回転数を上げても息切れすることなくグングンと加速していく。車重はこのクラスでは平均的な1440kgだが、アクセルレスポンスはとても鋭い。街乗りはもちろん、高速道路の合流や追い越しもドライバーに負担をかけることなく余裕でこなす。過給は2000回転前後から効くため、ターボラグを感じることなく軽快に突き進む。
アルファ独自のトランスミッションには弱点も
6速デュアルクラッチATも非常に滑らかで、変速ショックはほぼ皆無。気持ちのいい加速感と乗り心地を上手にアシストしている。しかし、弱点もあった。地下駐車場での徐行時など、20キロ以下の超低速域ではガクンガクンと前後に揺れる場面が多々あった。ちょっと前に試乗したVWゴルフ・トゥーランのデュアルクラッチが1000~1500rpmでも滑らかだっただけに、余計に目立ってしまった。