さて、今回、本コラムでご紹介するエンターテインメントは、昨年4月の“ハリポタ電子版登場”以来、久々となる出版業界ネタです。
米ネット通販大手アマゾンといえば、1994年、現CEOのジェフ・べゾス氏が、米ワシントン州ベルビューの自宅ガレージでネット書店をオープンさせたのがはじまりなのですが、その後、全世界でぐんぐん業績を伸ばし、いまや書籍だけでなく、CDやDVD、食料品や雑貨までクリックひとつで自宅に届けてくれる便利なサービスとして日本でもすっかり定着しています。
しかしその一方、アマゾンのせいで街の本屋さんが大変なことになっているということは説明するまでもないでしょう。そして、そんなアマゾンを放っておいては街の本屋さん、ひいては出版文化そのものが大変なことになると立ち上がった国が出てきました。フランスです。
10月3日付フランス通信(AFP)や英紙ガーディアン電子版、7日付ロイター通信など欧米メディアが一斉に報じていますが、フランス議会の下院は10月3日、アマゾンを中心としたネット書店業者に対し、書籍を割引販売して、無料配達するというサービスを禁止する法案を全会一致で可決したのです。