政府は東京五輪を開催する20年を念頭に訪日客数を2000万人に倍増させ、30年には3000万人を実現する壮大な目標を掲げている。だが、矢ケ崎氏は「日本は外国人客を吸引する魅力は十分にあるが、受け入れ態勢には課題がある」と指摘する。
観光庁による11年の調査では、訪日客が日本で感じる不平や不満に「無料公衆無線LANの環境」や「コミュニケーション」「目的地までの公共交通の経路情報の入手」などが上位に並んだ。政府は受け入れ態勢の強化策として、観光地などの案内標識の多言語対応やビザの発給要件緩和を進めている。
欠かせぬ環境整備
買い物や旅行をしやすくする環境整備も欠かせない。政府は来年10月から、全ての品目を消費税の免税対象とし、免税手続きも簡素化する方針。三井住友銀行などの3メガ銀行は、海外発行のクレジットカードで現金を引き出せる現金自動預払機(ATM)の設置に取り組む。
首都圏の羽田、成田両空港の発着枠拡大も待ったなしで、国土交通省が検討作業を進めている。観光庁幹部は「航空の容量が増えないと、2000万人や3000万人は難しい」と話す。