また、ロシアは欧州2位の自動車市場の規模を誇り、景気を牽引(けんいん)する日本の自動車産業も懸念を募らせる。トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車は現地に工場を構え、「事態が長期化すれば、生産・販売に影響が出るのは避けられない」(自動車大手幹部)。
ネックは部品の調達だ。現地メーカーの部品は品質面で先進国が求める水準に達していないからだ。トヨタ自動車のサンクトペテルブルク工場では、部品を日本から輸出して現地で組み立てている。
日本貿易振興機構(ジェトロ)などによると、ウクライナの日系企業の登録数は約40社だが、実働数は21社程度とみられる。一方、08年秋のリーマン・ショック後に落ち込んだ日露貿易額は順調に回復し、12年、13年と過去最高を更新するなど、日露の経済的な結びつきは強まっている。
こうした中、日露経済協力をさらに進展させようと、官邸主導で日露交流促進官民連絡会議を発足。大手商社に加え、医療や都市開発、インフラ、農業、流通などのトップ企業が名を連ねるなど、官民の協力体制を構築している。
しかし、日露投資フォーラムが、今月中旬の予定通りの開催が危ぶまれるなど、両国の経済協力強化へ向けた機運が後退する懸念が出ている。