17日の「電力需給検証小委員会」で示された今夏の厳しい電力需給見通しは「火力発電頼みの危うさ」(大手電力幹部)を改めて浮き彫りにした。特に関西電力と九州電力は、周波数の異なる東京電力から融通を受ける異例の措置で3%の供給予備率をようやく確保するぎりぎりの状態だ。安全審査の遅れで原子力発電所の再稼働に見通しが立たない現状に対し、西日本の経済界は不満を募らせている。
電力需給が逼迫(ひっぱく)したときには通常、東西で周波数が異なるため東日本同士、西日本同士の電力会社で電力を融通し合う。
しかし、九州、四国、中国の電力3社に電力を販売している電源開発(Jパワー)の松浦火力発電所2号機(長崎県)で3月、定期検査中にタービンが破損する事故が発生。松浦火力は今夏中には再稼働できず、100万キロワット分の電力が失われるため、西日本各社の予備率が一気に悪化する事態になった。
関電と九電は現状では予備率3%を下回るため、東日本の電力会社からの融通を含めた需給見通しを初めて作成。東電は8月、周波数変換設備を経由して関電に38万キロワット、九電に20万キロワットの計58万キロワットを融通する。