「アジアが米国型の経済成長を追求したら、地球がいくつあっても足りなくなる」。なかでも中国が自動車に依存したエネルギー多消費型の社会を維持するのは不可能だ。李氏は中国政府に繰り返しそう説いてきたが、まるで聞く耳を持たなかった。
だが、大気汚染の極端な深刻化で中国もいよいよ路線転換を求められている。結果的にだが、環境問題については国境を越えた協力の機運が生まれ始めた。そこで、日本の出番だ。「中国とインドの大気汚染解決を主導すれば、日本はアジアで尊敬される国になる。米国型ではない経済発展のモデルをぜひアジアでつくってほしい」と李氏は呼びかける。
環境問題解決に向けた日中協力はこれまでも繰り返し検討されてきたが、進展に乏しい。さらにインドも、となれば一段と難度は上がりそうだ。とはいえ、日本の経験と技術への期待はそれだけ高いということ。日本がアジアで生きていくため、知恵を絞るべきテーマだと思う。(「週刊東洋経済」編集長代理 西村豪太)