神宮外苑地区の地区計画【拡大】
その一方で、都市の景観や自然を維持管理していく費用を安定的に確保していく必要もある。昨年から明治神宮球場は3年計画で耐震改修工事に着手した。テニス場やゴルフ場などの更新も進むとみられるが、新たな収益事業も必要かもしれない。
米国では景観や自然を保全するために、その恩恵を受ける周辺開発地域に、保全地域が本来保有する容積率などの開発権を売却できる開発権譲渡制度(TDR)がある。そうした仕組みが有効との指摘もある。
明治神宮内外苑地区は、これから100年、どうなっていくだろうか。内苑は今と変わらない姿を維持していくだろうが、外苑は時代の変化や社会の要請に対応して変わっていくかもしれない。いずれにしても、オープンな場で広く議論していくことが重要だ。64年の東京オリンピックに間に合わせるために日本橋川の上に架けた高速道路が、日本橋の歴史と文化に大きな負の遺産を残したことは認識する必要があるだろう。
●=にんべんに分の刀を月に