しかし、このグルメ旅行を経て、上記のイメージが日本の全てではないことを知ったと言う。食の経験が、それまでのネガティブな先入観を切り崩す契機になっている。
マッサロット氏は語る。
「和食を通じて学ぶことは多いです。職人やおもてなしの文化についても造詣を深めることができますからね。ぼくの学んでいることを多くのイタリア人にシェアし、イタリア人と日本の素晴らしい人たちとの出会いを作るのが夢です」
先月は発酵料理のエキスパートである伏木暢顕氏を招き、イタリア人を対象に味噌などを使った試食会や料理教室を開催した。9月にはミラノで日本酒のフェスティバルを企画している。日本酒の普及を図るのだ。
こういう熱心な人はどこの国でもいる。だからといって軽視してはいけない。「こういう人」が動くとローカルの人への影響力は大きいのだ。冒頭のツアー参加者の言葉がよく物語っている。
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ローカリゼーションの連続セミナーを6月26日からスタートします。内容と応募詳細はこちらをご覧ください→ http://milano.metrocs.jp/archives/6082
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ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。
安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih