拉致被害者と特定失踪者のパネルを手に署名を呼びかける家族ら=2日午後、埼玉県川口市(中村昌史撮影)【拡大】
警察当局が拉致事件と断定しながら、被害者として認定されていないケースもある。高敬美ちゃん=同(6)=と弟の剛ちゃん=同(3)=が拉致された事件だ。
2人の父は北朝鮮工作員だった在日朝鮮人で、昭和48年6月に北朝鮮に召還され失踪した。母の渡辺秀子さん=同(32)=は2人を連れて夫を捜していたところ、別の工作員に誘い出され、東京都目黒区のマンションに監禁。その後行方不明となった。
子供2人は49年6月に福井県小浜市の海岸から北朝鮮に連れ去られた疑いがあり、警察当局が平成19年に拉致容疑事件と断定した。しかし、2人の国籍が朝鮮籍であるため、拉致被害者支援法の規定で認定されていない。
3人の無事を祈り続ける渡辺さんの妹、鳥海冏子(けいこ)さん(70)は「2人は自らの意思で朝鮮籍になったわけではない。姉が日本人であることは疑いないことで、国籍で差別されてはならない」と訴えている。(拉致問題取材班)