電源構成比率に関する市民団体などの緊急集会=28日午後、衆院第1議員会館【拡大】
経済産業省は28日、2030年度のエネルギーミックス(電源構成比率)について、再生可能エネルギーが22~24%、原子力が20~22%、火力が56%程度とする政府案を提示した。発電コストが割高なうえ天候次第で出力が不安定になる太陽光や風力などの比率を抑えつつ、コストが低い原子力を重要な電源として再活用していく方針を改めて明確にした。
再生エネは急速に普及が進む太陽光を7%程度、風力を1・7%程度とし、全体で現在の10%程度から2倍以上に増やす。ただ、固定価格買い取り制度に基づき電気料金に転嫁されるため、過度に導入すれば国民負担の増大につながる。さらなる上積みを求める声も出ていたが、原子力をやや上回る水準に留めた。
一方、全基停止している原子力は着実に再稼働を進め、原則40年と定めた運転期間の延長を前提にした20%以上の水準まで回復させる。3割近くを占めた東日本大震災前と比べ低下するものの、「電気料金の抑制には欠かせない」(経産省幹部)との観点から一定の存在感を保つ見通しだ。