ブラジルの首都ブラジリアで握手を交わすルセフ大統領(左)と中国の李克強首相=5月19日(AP)【拡大】
汚職企業も“支援”
経済発展が長年の課題の南米各国にとっても、中国が進める“ニンジン外交”は悪くない話だ。
とくに逆風が強まるブラジルのルセフ政権にとっては、李首相の訪問は局面打開の期待を抱かせるものだった。ブラジルは鉄鉱石や大豆の価格下落で2014年の貿易収支が14年ぶりに赤字に陥った。景気低迷で失業率が高止まりし、インフレも追い打ちをかけ、国民の不満も膨らんでいる。今年3月には、政権に抗議するデモがブラジル全土で起き、ルセフ大統領の退陣を求める声も高まった。
ブラジル政府は財政再建のため、インフラ整備など約700億レアル(約2兆8千億円)の予算を停止することも発表した。
鉄道建設をはじめ巨額の支援表明でルセフ大統領を喜ばせた李首相だが、さらにあっと驚く“手土産”も用意していた。政界を巻き込む汚職でルセフ政権を窮地に追い込んだ、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスに、なんと李首相が資金提供を表明したのだ。中国の国家開発銀行などが計50億ドルを融資する。