これに対し、日本の信託業界からは信託機能を悪用するもので、信託本来の意義を逸脱するものとの反発が噴出したが後の祭りだった。外資系金融機関の甘言にのった企業の多くは経営破綻へと転がっていった。
その後、これら外資系金融機関は金融当局から行政処分を受けるなどし、当該スキームは崩壊した。しかし、「信託」の器は「特別目的会社」(ペーパーカンパニー)という新たな器へと転換し、ブラックボックスは温存していく。
パナマ文書が炙り出すのは、こうした「匿名性」を求めて、お金が世界を徘徊しているという現実ではなかろうか。仕組み自体は合法であっても「隠す」行為に変わりはない。問題の本質は隠すべき動機であろう。
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【プロフィル】森岡英樹
もりおか・ひでき ジャーナリスト 早大卒。経済紙記者、米国のコンサルタント会社アドバイザー、埼玉県芸術文化振興財団常務理事を経て2004年に独立。58歳。福岡県出身。