江戸時代、庶民の間で空前のブームとなったお伊勢参り(お蔭参り)。江戸からは片道だけで約2週間、大坂からでも5日程度を要したという。もちろん徒歩だ。伊勢信仰を全国に広めたのが、御師(おんし)と呼ばれる伊勢神宮に属する神職らだったとされる。彼らは日本各地に散らばり、参拝者の案内や宿泊の手配までを請け負っていたという。現代で言うところの旅行代理店であり、ツアーガイドである。参拝者は伊勢への旅の途中、街道沿いでさまざまなもてなしを受けていたに違いない。
伊勢神宮を擁する三重の人には、古くから観光客を迎え入れてきた「DNA」を多かれ少なかれ受け継いでいるはずである。歴史、文化、食…。豊富な資源を生かしたおもてなしは、サミット後の「地方創生」につながりうる。一極集中するという現象が起こりにくいのだから、各市町が個性を発揮しやすい。「伊勢志摩だけじゃないよ」と。課題だった情報の発信力もサミットを機に大幅に強化されるのではないか。期待も込めて…。