税逃れ防止へ制裁基準策定 OECD租税委 パナマ文書で関心高く 参加は100カ国・地域以上に (2/2ページ)

2016.6.30 20:43

 ただ、参加を公約しても態勢が整っていなければ、実行できない。そこで、国際組織から既存の情報交換協定への取り組みが十分と評価されることと、税務当局間で情報交換する多国間条約への署名という基準も設けた。税務当局の業務体制と情報交換のパイプに客観的な裏付けを持たせ、実効性を担保する考えだ。

 3つの基準がすべてそろわないと自動的情報交換を適切に行えないはずだが、肝心なブラックリストの判断は曖昧にした。

 背景にあるのは米国への配慮だ。米国には米国人の海外口座情報を海外当局から一方的に入手できる独自制度があり、相互の情報交換への参加を表明していない。会合では米国をブラックリストに載せ、早期参加を促すべきとの声もあったようだが、主要国との対立を避けた。

 国際協調で新興国をリードする立場の先進国に配慮したルールづくりは、新興国の不満につながる懸念がある。国際通貨基金(IMF)改革の際も、米国が新興国の出資比率引き上げの議会承認を先送りし、新興国が不満を募らせたことが中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立につながったとされる。

 課税逃れ対策で同じ轍(てつ)を踏まないためにも、米国の参加公約をどう引き出すかが今後の重要な課題になりそうだ。(万福博之)

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