ただ国民の消費意欲が落ち込む中で、公共事業による景気への波及効果そのものも限定的だとの指摘がある。加えて、建設業界では「工事を受注しようとしても人繰りがつかず、諦めることがある」(ゼネコン関係者)など人手不足が著しい。
建設業の技能労働者は平成27年現在で55歳以上が全体の3分の1を占め、高齢化が進行。今後の大量離職により、37年の技能労働者数は現在より44万人減の約286万人に落ち込むとの試算もある。
ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「人手が足りない中で公共事業を無理に受注すると、不完全な工事になる恐れがある。政府は事業の優先順位や採算性を検討すべきだ」と主張。完成施設の収益性を高めるため「民間に売却して運営を任せるなどの手法も考えなければならない」と指摘した。
真に効果を生む事業をどこまで選別できるか、政権の覚悟が問われている。