
市場関係者や専門家らによる追加緩和の見方【拡大】
日銀は20~21日の金融政策決定会合で、過去3年半の大規模金融緩和を「総括検証」する。大規模な緩和でも2%の物価上昇目標に届かない阻害要因は何か、マイナス金利の導入による効果と副作用の2つのテーマを軸に議論を進める。日銀は検証を踏まえ、2%の早期実現に向けた金融政策の枠組みの見直しを検討する考え。市場はマイナス金利強化や国債購入量の増額案など意見が分かれており、緩和手法論は会合直前まで続きそうだ。
日銀は2013年4月、市場に流す資金の量(マネタリーベース)を2年で2倍の60兆~70兆円に増やし、2%の物価上昇目標を達成すると表明。政府の景気対策も重なり、13年度の経済成長率は2%程度へと大きく押し上げられ、人手不足が一気に健在化するほどの雇用回復が実現した。円安・株高にもつながり、企業業績の改善も図られた。
ただ、目標とする「2年程度で2%の物価上昇率」の実現に向けては、14年4月の消費者物価(消費税増税、生鮮食品を除く)の指数が前年同月比1.5%上昇したのをピークに、今年7月は0.5%下落している。日銀は、この要因を「原油価格の下落」「消費税増税後の消費低迷」「新興国経済の減速」などが要因と経済統計を交えて分析する見通しだ。