
日経平均株価などが示されたボードの前を歩く男性=26日、東京都内(ロイター)【拡大】
26日午後の東京株式市場は日経平均株価が大幅続伸し、前日比上げ幅は一時300円を超えた。25日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が史上初めて2万ドルの大台を突破したのを受け、日本の投資家心理の改善につながり、リスク資産である株式に投資マネーが流れた。
日経平均株価の午前終値は、前日比275円34銭高の1万9332円84銭。高値は296円98銭高の1万9354円48銭まで上昇した。2週間ぶりの高値水準。午後の取引開始後も引き続き増勢となっている。
東証株価指数(TOPIX)の午前終値は、前日比19.53ポイント高の1541.11。一時は東証1部上場銘柄の8割以上が上昇した。
同日の円相場は、トランプ政権の保護主義的な政策運営への警戒感から対ドルで一時1ドル=113円台前半とやや強含んだが、平均株価の下押しにはつながらなかった。
楽天証券の土信田雅之シニアマーケットアナリストは「ダウ平均がなかなか超えそうで超えられないでいた2万ドルに乗せたことは米国株の強さを示すもので、日本株にも良い影響を与えそうだ」と語り、平均株価は今後1カ月間は1万9800~1万8500円で推移するとの見方を示す。
一方、トランプ氏は日本の個別企業や自動車市場を名指しで批判するなど、保護主義的な色彩も濃い。土信田氏は「トランプ政権が進める政策で米企業に追い風が吹き、その恩恵を日本経済が享受する、という楽観的なシナリオだけではなくなる恐れがある。米国株が上昇しても、日本株はかえって下落する状況も今後は起こりうる」とした。
NYダウは25日、1896年の算出開始から約120年を経て初めて2万ドルを突破。トランプ米大統領就任から4営業日目で新政権の経済政策への期待が再燃し、終値は前日比155・80ドル高の2万0068・51ドルと過去最高値を約1カ月ぶりに更新した。ハイテク株主体のナスダック総合指数、幅広い銘柄で構成するSP500種株価指数も、そろって最高値をつけた。